「クソ上司」の類型〜原因訴求タイプ
半沢直樹に触発されて今までどういう「クソ上司」がいたかを考えていた。
「クソ上司」の生態を明らかにすることが日本のサラリーマンのストレスを根本的に解決する方法だと信じてやまない。 何よりも組織を健全化し若い人たちにやりがいのある仕事環境をつくることにも繋がってくる。
名前は仮にWindows 氏としておこう。ちなみに決してWindows社の製品を馬鹿にしたというわけではない。窓際に座っていたというポジション的な問題と情報処理能力がWindowsが出たてのパソコン並みに遅かったからだ。
このWindows氏、何か問題が起こると「なんでこういうことになったぁー?!」と騒ぎ始める原因訴求タイプだった。
なにか問題が起こるとその理由の詮索から始めるのだ。どんなに現場が次の手を考えていてもである。
このタイプは上とか横(同期とか同じような役職の人間)とかを常に見ているから、どう説明できるか、どうやったら自分で責任をとらなくていいかということをまず第一に考えている。だから、次の対応よりも事後の説明の方が先にフラッシュバックしてなんでこうなったんだ!という叱責と理由の訴求を始めるのだ。
現場は当然大混乱。次の手をチーム総出で考えているときに、原因究明しているヒマなんてないからだ。
こういうタイプの上司にはこちらも早急に対案を出し、指示を出させるような流れを作る他ない。原因訴求の暇を与えず、間髪入れずにこちらから弾幕を張るしかない。クイックなレスポンスで対応できるようにするのが大事だ。
どうしても原因がなんだったのか知りたいようなら、大局を示してやる。上司や横への説明よりは今は社外に対する対応が必要でしょうと。
この「クソ上司」に原因訴求のための会議を2時間やられたこともある。それも対応の最前線にいる担当者全員を集めて。もう現場は動けない。取引先に対して何もリアクションを起こさないということの方がよっぽど問題なのにも関わらずだ。
それでいて情報処理のスペックが出たてのパソコンかワープロ状態だから会議も一向に前に進まない。ジジ…ジという処理音が聞こえてくるレベル。
あまつさえ指示語が多くて何を言いたいのかほぼ不明。「あれかーあれはどうなってるんだー?」といった具合。昔、竹下首相が「言語明瞭、意味不明瞭」と言われたがこのお方の場合、「言語不明瞭、意味もっと不明瞭」。
問題が解決または社外への対応がひと段落してから原因究明を図ることは重要だ。次に同様の問題が起こらないように経験を蓄積しておくのだ。問題のある担当者は当然、叱責される。しかし、それを事態解決のプロセスの途中でやるというのがいかに愚かなことかわかっていないのだ。
これを戦場に置き換えてみよう。
「体長!機関銃の玉が詰まりました!」
「なんだとぉ?!このバカちんが、至急銃器メーカーに問い合わせだ!なんで詰まったかおしえろー!」
戦場なら原因究明中にあえなく全滅である。
玉がでないなら何が武器になるかを考えて次の手を打たなければならないだろう。
こういう「クソ上司」は一度レンジャー訓練でも受けてリーダーシップというものを戦場で考えたほうがよい。こういう仕組みはないものかと知り合いのレンジャー教官に本気で相談したこともある。(ちなみに教官は自衛隊幹部が民間企業で学ぶ仕組みはあるんですがねぇと苦笑いしていた。)
立場ごとに違った正義があるというが、少なくとも大局的判断ができるよう働きかけるのは「クソ上司」の部下の仕事なのだろう。
【「クソ上司」からの教訓; 原因訴求型上司にはクイックレスポンスで反撃!今やるべきことを示し働きかけてやるのが部下にできる最善策!!その後で「倍返しだ!」】