静かな夜にワインとビスマルクを

静かな夜に黙々と考えたことを綴ります。政治とかアフリカとか趣味とか…。

8億円事件を考える

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8億円事件で誰が得をしたのか。

 

8億円事件とは言わずもがな、みんなの党渡辺代表がDHC会長から8億円の資金提供を受けていたとされる事件だ。

 

政治における権力闘争や外交上の重要問題が起きた時には「誰が得をしたのか」がまず一番最初に問われる。得をする当事者がネタ元であったり、仕掛け人であったりすることが往々にしてあるからだ。

 

かつてのムネオ事件でもムネオこと鈴木宗男氏を失脚させるために共産党などの野党に「内部でしか知り得ない」情報が流れた。鈴木氏と領土問題を進め、自身も実刑判決を受けた元外交官の佐藤優氏は著書の中でこれらの内部情報は鈴木氏の失脚を狙って外務省から流されたものであるという見立てを披露している。

 

これは鈴木氏の失脚で外務省が「得をした」からである。

 

今回の8億円事件は本人の告発から見てもネタ元は本人だが、本人にネタを開示させることを促したミスターXが必ずいる。このミスターXは渡辺代表に近い人物か近かった人物ということになると思うが、このミスターXが何を狙ったかである。

 

みんなの党は自民党との政策協力を進めていたとされ、仮に自民党とみんなの党の連立が成立してしまえば現在の連立与党である公明党にとっては存在感が薄れてしまうためみんなの党と自民党の連立が進むことにブレーキが欲しかったのも事実だろう。

 

さらにこの問題が発覚した時期も注目に値する。この告発記事が出たのは3月の末。増税の直前だった。自民党にとっては4月1日の増税で国民感情が反自民党に流れるのニュースが欲しかったということもできる。

 

渡辺氏率いるみんなの党が自滅することで「得をする」当事者は他にもいる。みんなの党から離脱した結いの党である。結いの党は会派問題でみんなの党と揉めた経験もあり、今後のスムーズな政治活動にはみんなの党との関係を完全に精算する必要があった。

 

こうしてみると今回も8億円事件で少なくない関係者が得をしたことになる。様々あ思惑が一致した時、8億円事件が火を噴いた。情報には必ず意図があるということに身震いしたのは筆者だけではないはずだ。