静かな夜にワインとビスマルクを

静かな夜に黙々と考えたことを綴ります。政治とかアフリカとか趣味とか…。

殿と新党

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殿が都知事選に出馬するらしい。

 

小泉元総理との連携でにわかに勝算が増してきている。

 

細川元総理は政経塾出身の野田氏が総理の座に就くと相談を受けるなど徐々に表舞台に姿を現してきていた。昨年末には檀みつとの対談が注目を浴びるなど少しずつ世俗に復帰していた。ちまたの報道では野田氏が政権をとってから政治への関心が増したとされる。

 

今回の都知事選に殿がなぜ出たのか。

 

これが世間の最も関心のあることだろう。細川氏は都知事選の出馬を決めた際に妙なことを口にしている。「勝つか負けるかは重要ではない」。筆者はこの言葉に全てが込められていると思う。通常、選挙の候補者が選挙に勝つか負けるかが関心のないことなどない。関心がないとすればよっぽどの出たがりの泡沫候補くらいのものだ。選挙に出る以上は当選することが目標となる。

 

ところが今回の細川氏は当選には興味がないという。この発言を素直にとれば、選挙に出ることが目標ということになる。マラソンの参加賞ではあるまいし選挙に出るというのがどうして目的化するのか。

 

殿といえば1993年、55年体制が発足してから初めての非自民党政権の立役者として有名である。

 

しかしお方にはもう一つ顔がある。当時発足したばかりの松下政経塾の評議員だったのである。だから政経塾一期生である野田総理の相談に乗ったし、政経塾出身者とは少なくない接点がある。以前、松下政経塾新党構想(政経塾出身者で政党を作ろうという動き)があった時、殿を大将にという動きができたこともある。

 

今回の殿の出馬は政経塾新党の実現、ないしは野党再編のまえぶれではないかと思う。

 

76歳になった殿には政権を狙うつもりはおそらくない。政経塾の出身者がキーマンになって政界再編の流れを作るというのが今回の殿の腹ではないかと思うのだ。

 

今回の殿の出馬で「骨董品が出てきた」とか「老人の暴走」とか巷では騒ぎになっている。しかし、簡単には言い切れないウラがあるのではないかと見ている。都知事選後と平行して中央政界の動きも活発化してくるだろう。殿の動きが戦後の政治体制を再び変革する可能性は十分にある。今後の動きを見ながら良質な野党のチェックを忘れてはならないと思う。